| 鎖骨ぽえむ(または残照の中で) |
日が沈む 残照が赤く木々を照射する 男はただ 遠く山の端を見つめる 瞳はまだ 強い光を放っている 流れる汗もそのままに 拭おうともせず じっと動かない 汗は 男の身体を伝い落ちる 乱れた髪の生え際から こめかみを通り そげた頬を流れ落ちる 残照が赤く染めた男の肌を 筋の浮き彫りにされた太い首を くっきりと陰を作る鎖骨を 隆起した胸筋を ただ 落ちて 男の熱をゆっくりと奪っていく 男のまなざしが柔らかく細まる 山の向こうにいる彼の人を思って 彼の人の面影を浮かべて 「おやすみ あかね」 日が暮れる 今日が終わる (終) |
半官半民さん
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窓を閉じて戻ってね